コミュニケーション力が高い人は、ホスピタリティの神髄を心得ている
1.ホスピタリティとは?
2.ホスピタリティの意味
3.ホスピタリティ力の効果3つ
4.ホスピタリティ力を上げるコツ
仕事をする上で、というより、人生を生きていく上で特に大切なのは、
上手に人とコミュニケーションをとることです。
これを「そんなことはない」という方は恐らくいらっしゃらないでしょう。
では、コミュニケーションを上手に取るにはどのように人と接すればいいのでしょうか?
コミュニケーションが上手/下手は、どこで決まるのでしょうか?
それはまさしく「ホスピタリティ能力の差」にあるのです。
ホスピタリティの本来の意味を理解すれば、誰でもコミュニケーション能力は上がります。
でも世の中のどれだけの方が「真のホスピタリティ」を理解しているでしょうか?
実は「コミュ障」という言葉が存在するという事実から、
まだそれほど本当の意味でのホスピタリティを理解している人は少ないということなのです。
そこで、このコラムで、ある程度のホスピタリティを習得するヒントをお伝えしようと思います。
そしてコミュニケーション上手に(※)近づきましょう。
(※)ただし、このコラムを読めば、速攻コミュニケーション上手になるということではありません。
ホスピタリティを理解し、コミュニケーション上手になるには、それなりの努力が必要です。
一朝一夕にはまいりません。
そこを覚悟してついてきて読んでいただければ、成長はあるはずです。
それではまず、ホスピタリティの説明から入っていきましょう。
1.ホスピタリティとは?
語源は、ラテン語の「Hospes」です。
意味は、諸説ありますが「宿泊所」というものでした。
中世ヨーロッパでも、戦国の世が続き、その戦いで傷を負った兵士たちが寝泊まりしていたところという感じです。
そしてそこで兵士たちのお世話をしていた方たちを「ホスピタリティ」と呼んでいたという説もあります。
他にも「Hospes」から派生した言葉には
「Hotel 」「Hospital 」「Host 」「Hostess 」など「Hospitarity」以外にも数多く見受けられますが
全て誰かのために何かをするという意味合いが含まれているのがわかります。
因みに、世の中で使われている言葉で、
「似ているけれど何が違うんだろう?いまさら聞けない・・・」と思われているものに
「サービス」という言葉があります。
この「サービス」も、今では誰かのために何か特別なことをしてあげるという意味合いがあります。
日本語は難しいニュアンスいっぱいの言語です。
でも「サービス」と「ホスピタリティ」は全く別のところからの発想です。
「サービス」の語源はラテン語の「Servus」です。
意味は「奴隷」です。
つまり相手にかしずき「仰せのままに」という意味です。
自分をへりくだり(下に置き)相手に奉仕させていただくという意味合いが強いです。
これはホスピタリティとは大違いの語源ということになります。
だからといって「サービスが悪いものである」と言っているのではありません。
基本的に、発想の基が違っていたということです。
「知っておいて損はない豆知識」として、頭の中にしまっておくと面白いかもしれません。
2.ホスピタリティの意味
日本で「ホスピタリティ」を訳すと、「おもてなし」と答える方が大半を占めると思います。
確かに「おもてなし」という言葉が間違っているわけではありません。
ですが、単純に「おもてなし」をホスピタリティと言ってしまうと、
さすがにそれでは「大きいずれ」が生じる可能性があるのです。
「おもてなし」とは
・相手はこうしたら喜ぶであろう
・きっと心地いいだろう
と、自分で考えて相手をもてなそうとする行動です。
ですが、本当に相手はそれで喜ぶのでしょうか?
心地よく感じるのでしょうか?
基本、自分と相手はちがう人間です。
今まで生きてきた過程も、学んだことも、考えることも、価値観も違います。
ですから、相手から何かをされた時、感じ方も人それぞれ違うはずです。
自分が嬉しいと思うことも、もしかすると相手にとっては不快に感じることすらあります。
これを鑑みると、もしかするとそのおもてなし行為は、ただの「おせっかい」「大きなお世話」になってしまう可能性もあるのです。
それでは元も子もありません。
ですから、相手のことを本当に理解し、分かったうえで行動を起こさなければ、
本当の「おもてなし」にはならないのです。
ですから私は、ホスピタリティの和訳を「究極のおもてなし」「相手を慮ること」としています。
「慮る」とは「相手のことを想い図ること」です。
相手が今、どんな感情で、何を考え、何をしてほしいのかをしっかりと相手の立場に立って考えたうえで行動すること、
これができていなければ本当の意味で、相手を喜ばすことはできないのです。
3.ホスピタリティ力の効果3つ
ホスピタリティ力が身につくと、まず最初に変わるのは、この見出しでもあるコミュニケーション力のアップです。
なぜそうなるかと言えば、自分の考えに固執することなく、
相手の状況などを理解するように努めることが出来るようになると、人間関係構築の力が発揮できるようになるからです。
人の気持ちなどわからなくて普通です。自分と他人は別人ですから。
でも、それを考えることはとても大事で、状況を把握できればコミュニケーションはうまくいくようになるのです。
そしてこのコミュニケーション力がアップすれば、自ずと周りに人が集まるようになり、
男女問わずモテるようになります。
なぜなら、一緒にいると心地よいと思われるから、その人に信頼感情が生まれるからです。
これはその人にとって、とても貴重な財産になります。
そして効果二つ目は、相手との会話がスムーズになることです。
この理由は、相手の状況を見極め、相手が今、何を話したいのか、話そうとしているのか、
相手の話の意味するところを傾聴する姿勢ができるようになるからです。
そうすると必然的に会話がかみ合わないということもなくなります。
だいたいにおいて、ホスピタリティ力のない人は、相手の話を聴くことなく、
自分の話したいことや自分の興味のあることしか話さない傾向にあります。
そうなると。相手は話をするのが嫌になって、会話がうまく進まなくなってしまうのです。
これは会話が上手にいかない人の特徴でもあります。
最後に、効果三つ目は自己肯定感のアップです。
自己肯定感とは、自分を信じる・認める・愛することができる力です。
この力が強くなると、自分の言動に自信が持てるので、周りから見ると堂々としている印象になります。
自分に引け目を感じ、顔を下に向け、暗い雰囲気を漂わせている人に魅力は感じません。
この自己肯定感は、その人の人生に大きく影響します。
4.ホスピタリティ力を上げるコツ
まず初めに、先の3つ目に掲げた「自己肯定感をしっかり上げること」が重要です。
なぜなら自分に自信がないと、何をするにも自分のことで精いっぱいで、
目の前にいる相手を慮る余裕が生まれないからです。
相手が今、何を望み、何をして欲しいのかが見えなければ、それに対応することもできません。
だからこそ、自分に自信を持つという、心の余裕が必要なのです。
そして、これも大事なことですが、相手が何を望んでいるのか、言われてからでは遅いのです。
相手に言われる前に察してあげられるからこそ、相手に尊重されるのです。
もちろん、これ見よがしに、「これでもか!これでもか!」という押しつけも厳禁です。
二つ目は、余裕が持てる心を備えたうえで、今度は「しっかり相手をみてあげること」です。
もちろんジロジロ見るのではありません。
そんなことをしたら、気持ち悪がられますから絶対にダメです。
「みる」にもいろいろあるのです。
1.見えるところをしっかりと見る
人間の脳には脳幹網様体賦活系と呼ばれる組織があり、それが「盲点」を生み出します。
つまり、見たいもの/興味のあるものしか目に飛び込んでこないようにできているのです。
ですから、相手を見るときに自分勝手な色眼鏡で見たり、勝手に自分の思い込みで考えたりしないように
しっかりと現状を把握できる「視覚」を持たないとなりません。
2.感性を使って観る
「五感」を磨き、相手を観察する「観る」です。
「視覚・聴覚・嗅覚・触覚・(味覚)」です
「視覚」はもう既に使っていますから残りの感覚です。
味覚は人には使いませんが、モノを見るときの練習には使います。
とにかく五感を磨きましょう。
3.「第六感」で看る
この「看」という字に着目してみると、「手」と「目」が重なっていることに気づきます。
そうです、「目」で気がついたら「手」を差し伸べるという意味の「看る」です。
何回も繰り返しますが、あくまでも「いわれる前に気づくこと」が大事です。
4.「心」を視る
この「視る」は、「~と考える」という意味合いで使います。
さて、誰の心を視るのでしょう?
誰のことを考えるのでしょう?
誰もが「相手の心」と思うかもしれませんが、そうではなくて、
まずは「自分の心」を視てください。
自分は相手のことをどう思っているか?
ちゃんとリスペクトしているか?
嫌ってはいないか?
人は本能的に、嫌いだったり、どうでもいい人のことはあまり気に留めません。
そうなると、上記の3つが成立しなくなってしまいます。
ですから最後の「心で視る」も、とても大切な「みる」なのです。
以上のことを意識して毎日を過ごすと、ホスピタリティの力はぐんぐん上がります。
でもそんなに簡単なことではありません。
まずは意識するところから始めてみてください。
意識するだけでも変化が見えてくるはずです。
ホスピタリティに関して書き出すと、キリがなくなりますので、
今回はこの辺でおしまいとします。
自分の人生を充実させるためにも、今日からホスピタリティ力アップを図っていきましょう!