コラム
2023年12月18日

新入社員研修を行う必要性 知っておくべきビジネスマナー

4月、入社式を終えると、新社会人は「新入社員研修」に参加することがほとんどでしょう。

しかし、会社の事情で「新入社員研修」を行わない会社がまれにあります。
そうなると、その新社会人はどうなるか?
恐らく学生と社会人の違いを理解しないまま、先輩の姿をみて、自分なりの考え方(我流)で社会に溶け込むことになります。
しかし、その先輩も研修を受けていないわけですから、それが本当に正しいかどうかは、わかりません。
そしてそれが定着してしまうと、その会社のブランド力が落ちてしまう可能性もあるのです。

ですから「新入社員研修」を行い、人財を育てることは、会社の将来に大きく影響を与えるものです。
今では、入社前に、内定者研修を行っているいる企業も多くあるようです。
研修を甘くみてはいけません。

ここでは、わが社の新入社員研修で、必ず行っている最低限必要な基本項目について解説していきます。

 

1.学生と社会人の違い

2.第一印象の重要性

3.立ち居振る舞い

4.身だしなみ

5.挨拶

6.言葉遣い

7.電話応対の基本

8.応対応接・訪問の基本

9.目標設定

 

【1.学生と社会人の違い】

社会の一員としての心構えを学びます。
「会社」とは何か、「組織」とは何か、社会人として社会貢献することに意味があることを理解したうえで、
「学校」と「職場」の様々な違い、目的・人間関係・協働関係・評価・責任・時間拘束・休暇等、を理解します。
そのうえで、新社会人としてやるべき行動鉄則を身につけます。
 ・ 出社したら、笑顔で大きくあいさつする
 ・ 上司や先輩から指摘を受けたときは「気づかせていただき、ありがとうございます」と感謝する
 ・ 時間は厳守する
 ・ 文字は丁寧に書く
 ・ デスク周りは、常に整理整頓しておく 等
当たり前のことを、当たり前にこなす覚悟を決めさせます。(※ABCDの法則)
 ※ (A)当たり前のことを(B)馬鹿にしないで(C)ちゃんとするのが(D)できる人
また、その会社の理念・ビジョンなども徹底させます。

【2.第一印象の重要性】

第一印象は、あくまでも相手が決めるもので、自分が思っている自分を、相手もそう思ってくれてはいない可能性が高いことに気づかせます。
また、社会人としての第一印象は「好き」「嫌い」「どうでもいい」という一般的な第一印象に加えて
「この人は信用できそうか?」「安心して頼めそうか?」という仕事に必要な様子まで見られるということを意識する必要があることを認識しておかなければなりません。
そのために自分を知っておくことも必要になってきます。
わが社では、「1分間スピーチ」を録画し、それを自分で観て、気づくという方法をとっています。
自分で気づいたことは、とても大きな気づきになり、改善速度が急速に早くなります。

【3.立ち居振る舞い】

正しい立ち姿勢・座り姿勢・お辞儀・方向の指し示し方・物の授受 等、
社会人として恥ずかしくない立ち居振る舞いのマナーを知識として落とし込み、それを実践していきます。
立ち居振る舞いは、第一印象にも大きく影響してくるものなので、しっかり指導します。
特に正しい立ち姿勢は、その後のお辞儀に大きく影響するものなので、しっかりと身につけるようにいたします。
またお辞儀も言葉と共に頭を下げる「同時礼」ではなく、「語先後礼」の「分離礼」を覚えていただきます。

【4.身だしなみ】

「身だしなみ」と「おしゃれ」の違いを確認します。
「身だしなみ」は、相手の目を意識して、整えるもので、「おしゃれ」は自分で楽しむものです。
  これから社会人として生きていくためには、誰が見ても、きちんと整っている必要があります。
「社会の身だしなみ」の決まりを、頭髪・顔・手・服装・靴・小物に分けて説明していきます。

【5.挨拶】

「いい会社」と呼ばれる企業に共通していることの一つに「社員全員がしっかりとした挨拶ができている」ことが挙げられます。
「たかが挨拶、されど挨拶」挨拶の意味を考え、心を込めた挨拶とは何かも考えます。
  挨拶とは心の交流の第一歩です。
  頭を下げることが挨拶ではありません。
  相手の心に届くように発語して、ブーメランのように、相手の心も返してもらう双方向のやり取りが本当の挨拶です。
 社内でも、社外でも、相手を選ばない、角度を変えない、感じのいい挨拶ができるように指導していきます。

【6.言葉遣い】

敬語の復習と、社会人言葉を知り、恥ずかしくない言葉で話せるように指導していきます。
次に話すときには、以下の「接遇話法」を使うように指導します。
・「失礼ですが」「お手数をおかけいたしますが」「おそれいりますが」等のクッション言葉を使うこと
・「命令文」ではなく「依頼文」に変えたほうが、感じ良くきこえること
・ 相手の意向に沿えない時には、「全否定」するのではなく、柔らかな「一部否定文」に積極的代替案を付け加えて話す方がいいこと
・「親近性効果法」を使って話すこと

また、印象に残る話し方、わかりやすい話し方のコツなども伝授します。
人は、誰もが話を聴いてもらいたいものです。それを理解したのち「話の聴き方」も指導します。

【7.電話応対の基本】

新入社員にとって、会社の電話に出ることは、とても勇気が要るものです。
ですからしっかりと職場の基本の電話応対法を教えなければいけないのです。

電話の特性
・ 見えなくてもわかる相手姿勢・表情・空気・人間性
基本的な決まり事
・ ベルは3回以内で取る それ以上になってしまったときの言葉遣い
・ 電話の切り方 等
電話の第一声
・ 声だけで「会社の第一印象」に関わってくるということの重要性

その後に、電話の受け方・かけ方を実際の応対トーク例使って、確認していきます。
電話には、電話特有の慣用句があるので、それも覚えていただきます。
ex) お差支えなければ、わたくしがご伝言を承りますが…。
  ~~に、申し伝えます。
これは本人が声に出して練習するしかないということも実感していただきます。

【8.応対応接・訪問の基本】

会社でクライアント様(お客様)をお迎えする時の基本マナーの流れをお教えします。
準備 → 受付 → 取次 → ご案内 → 会議室(応接室) → 退出 → お見送り という流れです。
それぞれ、気をつけなければならないことがあり、それを徹底します。
例えば、ご案内時の通路の歩き方・階段・エレベーターのマナーなど、知っておかないと恥ずかしいこともありますので、
それを指導します。
また、上座下座も新入社員のうちに覚えておくと、将来は恥をかかなくて済みますので、ここでお教えします。

次に訪問時の注意事項です。
訪問時間の徹底(10分前会社到着・3~5分前 受付到着 )お土産の渡し方等、細かいところまでお話します。

これで、自信を持って応対応接・訪問ができるようになります。

【9.目標設定】

正しい目標設定のしかたをお教えします。
本人が本当に望んでいる目標を明確にすることで、目標達成までの時間・意欲が変わります。
「~ねばならない」目標から「~したい」目標にするということです。
そのコツをしっかりお伝えします。
  
その後、目標がある人とない人の行動パターンを説明し、目標設定がどれほど大切であるかを理解していただきます。

そしてご自身の目標を設定し、それに向かった何をするべきなのかを考え実行に移すよう指導します。

 

 

基本項目は以上です。

せっかく入社してご縁のできた新入社員を、心から出迎え、先輩・上司として成長のヒントを与え、
一人前の社会人になれるよう見守っていきましょう。